十代・二十代とよくライブへ行った。
当時好きだったバンドはまだあまり売れてなくて、お酒の呑める小さなライブハウスで、
お気に入りの曲が始まるまではカウンターでのんびり座っていた。

当時は現実の感触がないというのか、
生きていることへのリアリティーがあまり持てなくて、
感情が死んでいくのを理解しつつも何もできずにいる。
僕の青春はそんなことが多かった。
成長していく中で自分を見つけることができなかったんだと思う。

ライブは生きている実感のようなものを与えてくれる大切な時間だったのかもしれない。

好きだったバンドのCDは買わなくなってしまったけど、
時々ラジオから流れてくる彼らの曲に胸が少し熱くなる。
彼らは今も走り続けている。

 

ライブと言って思い出すのはそれくらいで、もう10年以上行っていなくて、最後に行ったのはたしかELLEGARDENだったと思う。
彼らの活動休止とともに、私も行くことをやめてしまっていたようだ。

 

そんな長いブランクを破ってくれたのが、
先日行ってきたBUMP OF CHICKENのライブ。

彼らを知ったのは、仕事に追われて徹夜をしていた時だった。
ラジオでインディーズのバンドを紹介するコーナーというのがあって、そこでかかっていたのがバンプだった。
一曲聴いただけで魅了されてしまい、翌日にはCDを手にとっていた。
ずっと聴いてきたけど、まさかライブに行けるなんて嬉しすぎると思いつつも、今の年齢を考えると嬉しいような、照れを感じるような・・。

年甲斐にもなく抑えきれない高揚感を胸の奥へ押し込んで、ライブまで悶々とした日々を過ごし、あんなに待ち焦がれたのに、あっという間に終わってしまった。
それくらい充実した時間だった。

ライブは最新のアルバムはもちろん、懐かしい曲もあって、
3時間もあったのに、それすら一瞬で本当に楽しかった。
楽しい時間ていうのは、なぜにこんなに短く感じるんだろう。

 

ライブが終わって改めて曲を聴くと、何度も聴いたはずなのにすごく新鮮に感じて、心に曲がまっすぐ入ってくる。
好きだった曲は、ライブに行ったことで大切な曲に変わったと感じるし、今までもそんな体験があったことを思い出した。
思い返せば今でも聴いている大好きな曲たちは、ライブに行くことで大切な曲に変わったものばかりだったし、その曲たちはいつまでたっても色あせることなく自分の中にあって、彼らの曲も同じようにある。

ライブはやめられない。改めてそう思った。
うん、ライブはやめられない!